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6月25日のツイート

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Bradley Onishi著「Preparing for War: The Extremist History of White Christian Nationalism—and What Comes Next」 books.macska.org/bradley-onishi… 高校生のときに福音派キリスト教に入信し、教会のなかで青少年に対する指導者として七年間を過ごした経験もありいまは宗教学を教えている日系人の著者が… pic.twitter.com/sTgfUBnKfQ

posted at 05:21:38

…2021年1月に起きた連邦議事堂占拠事件にかれと同じ教会に所属していた人たちを含めた多くの熱心な福音派の信者がいたことに衝撃を受け、自分も教会から離れていなければあの現場にいたのではないかと自問しつつ、福音派キリスト教が極右や陰謀論、民主主義の否定に行き着いてしまった…

posted at 05:21:38

…歴史的な経緯を追う本。著者はかつて熱心なキリスト教徒だったけれど、宗教学を深く学んだ結果、現代の福音派キリスト教が本来の聖書のメッセージだけでなく伝統的なキリスト教で主流だった考え方を大きく逸脱し右派政治運動に飲み込まれてしまったことに気づいた。かれによれば、…

posted at 05:21:38

…ほんらい福音派はイエスが近い将来再臨すると考えるため政治には熱心ではなく、むしろカトリック教会や聖公会のように国家権力と特定の宗派が結びついて信仰の自由を脅かすことを懸念し政教分離を強く主張してきた。のちに宗教右派の指導者となった人たちも、1950年代までは政治への不関与を…

posted at 05:21:39

…主張していた。アメリカにおいて福音派キリスト教が政治に関わるようになったのは、1956年のBrown v. Board of Education判決以降、政府が黒人の人権を保護し、人種隔離の撤廃を進めたことがきっかけだった。もともと南部では父親を頂点とする家父長制的な家庭がほんらいあるべき姿とされていて、…

posted at 05:21:39

…その最下層に奴隷や使用人として雇われた黒人が位置づけられていたが、人種隔離の撤廃により黒人の子どもたちが白人の子どもたちと対等に同じ学校に通うようになると必然的に友人や恋人となって自分たちの親族のなかに黒人が入ってくる危険がある、というパニックが発生。現代に至るまで宗教右派の…

posted at 05:21:39

…キーワードとなっている「家庭の価値」という言葉は、人種隔離制作の撤廃への反発から広まった。南部の白人たちは、黒人の子どもが通う公立学校に自分たちの子どもを通わせることを拒否し、教会のもとに「隔離学校」と呼ばれる白人専用の私立学校を多数設立、地域によっては公立学校そのものを…

posted at 05:21:39

…廃止してしまった。それに対し政府はそうした学校に対する非課税の特権を取り消そうとして、長年に渡る裁判が起きる。そういうなか、それらの学校を運営していた教会は「政府の方針に反対すると課税されるのか」と反発し、政治に積極的に関わるようになる。宗教右派のあいだでは「教会が政治に…

posted at 05:21:40

…関わるようになったのは妊娠中絶が合法化され家族の価値が脅かされたからだ」と説明されることが多いが、歴史学的には妊娠中絶問題ではなく黒人の人権がそのきっかけとなったというのが正しい。人種差別や中絶反対の立場から政治に関与しはじめた福音派キリスト教会が、陰謀論や極右路線を推進した…

posted at 05:21:40

…ジョン・バーチ・ソサエティ books.macska.org/matthew-dallek… に源流を持ち、カリフォルニア州オレンジ郡から広がりだした反福祉・反移民・軍事的タカ派のレーガン革命と合流したことで、現在も続く白人キリスト教ナショナリズム books.macska.org/philip-s-gorsk… が完成する。…

posted at 05:21:40

…もともと主要なキリスト教会は貧しい人への支援や平和運動に熱心で、本来ならタカ派的な反福祉路線とは立場が異なるはずだが、福祉は黒人を怠惰にして国を破壊し、女性を結婚から遠ざけたり離婚を可能にして家庭を破壊する、という論理によって、すなわち人種差別と性差別を通すことで繋がった。…

posted at 05:21:40

…かれらが1980年の大統領選挙で南部出身の敬虔な福音派(バプティスト)キリスト教徒だったジミー・カーター大統領ではなく私生活ではほとんど教会に通うこともなかったロナルド・レーガンを支持したのは、人種和解や福祉を擁護し平和外交を進めたカーターのような伝統的なキリスト教徒よりも、…

posted at 05:21:41

…信仰があるのかすら明らかではないけれども力強く自分たちの利益を守ってくれそうなレーガンがかれらに信用されたからだった。これは2016年・2020年の大統領選挙で宗教右派が、聖書の章の名前すら正しく言えない www.npr.org/2016/01/18/463… ばかりか、三度離婚しポルノ女優と浮気したり女性に対する…

posted at 05:21:41

…性暴力を公言するドナルド・トランプを熱烈に支持したことと重なる。Philip S. Gorski & Samuel L. Perry著「The Flag and the Cross: White Christian Nationalism and the Threat to American Democracy」 books.macska.org/philip-s-gorsk… でも指摘されているとおり、白人キリスト教ナショナリズムは…

posted at 05:21:41

…「アメリカはキリスト教を基盤とした特別な国である」という信念を中心とした思想であり、信仰そのものは問題とされない。もちろんその多くの支持者たちは福音派のキリスト教徒たちだけれども、実際にはレーガンやトランプのように信仰があるのか疑わしいような人物も、…

posted at 05:21:41

…キリスト教中心主義・アメリカ中心主義を共有していれば支持を受けることができる。つまりほかの信仰や文化を背景に持つ人や移民・外国人への攻撃的な姿勢こそがその共通点だ。そして近年、力強く自国(白人キリスト教徒)中心主義を擁護する指導者を求めるあまり、ロシアのプーチンや…

posted at 05:21:42

…中国の習近平ら権威主義的な指導者を(国益が衝突する場面では批判しつつ)理想的な指導者像に押し上げ、トランプに同じような役割を求め民主主義を否定するところまで来てしまった。その結果が連邦議事堂占拠事件 books.macska.org/jamie-raskin%e… だというわけだが、著者はあれは新たな時代の始まりに…

posted at 05:21:42

…過ぎず、これからも過激化した白人キリスト教ナショナリズムによる民主主義や本来のキリスト教的な価値観への攻撃は続くだろうと予測。この本を出版したのはキリスト教系の出版社で、白人キリスト教ナショナリズムに対する批判がキリスト教のなかから出版されているのはおもしろいし、希望が持てる。

posted at 05:21:42

Elizabeth Bronwyn Boyd著「Southern Beauty: Race, Ritual, and Memory in the Modern South」 books.macska.org/elizabeth-bron… 「サザン・ベル」やベルが結婚したあとの「サザン・レイディ」といった、米国南部に残る古典的な理想の女性像がどのような慣習や儀式によって維持されているか、そしてそれが… pic.twitter.com/tT1KMc1OXo

posted at 06:24:38

…奴隷制があった時代を理想化し懐かしむ「ロスト・コーズ」神話の維持とどう関係しているかを論じた、文化研究のお手本のようなすごい本。奴隷制を美化し、南北戦争における南軍の正義と高潔さを主張する「ロスト・コーズ」 books.macska.org/adam-h-domby%e… の神話は、20世紀前半までは歴史学にも…

posted at 06:24:38

…認められていたが次第に批判を受けるようになり、2015年にチャールストンの黒人教会で白人至上主義者の青年が銃乱射事件を起こすと books.macska.org/cody-keenan%e8… 、南軍旗や南軍指導者を称える像などを撤去する動きが各地でさかんになった。南北戦争から100年がたっても南部に根強く残っていた…

posted at 06:24:38

…それら奴隷制のシンボルが批判の対象となる一方、奴隷制を前提として成立した当時の理想の女性像は、女性にまつわる文化的な事象が軽く見られていることもあり、そうした批判を免れてきた。本書は南部の女性像を形成する三つの儀式として、…

posted at 06:24:38

…ソロリティ(大学における女子学生のための社交団体)への入会審査、ミスコンテスト、そしてデビュタント・ボールに注目する。それらは決して南部だけにあるものではないが、著者はそれらが南部において独自の文化を築き、バトラーが言う「形式化された行為の反復」を通して南部特有の…

posted at 06:24:39

…女性ジェンダーが構築されていることを指摘する。サザン・ベルはそもそも、南部の白人たちが自分たちをヨーロッパの貴族文化の継承者として位置づけるなかで、優雅であり上品な理想の女性美とともに、父親や夫といった家族の男性を立て、ホストとして白人のゲストをもてなす理想の娘・妻としての…

posted at 06:24:39

…役割を期待される。『風と共に去りぬ』 books.macska.org/sarah-churchwe… の主人公はそうしたサザン・ベルの典型として描写されながら、しかし南北戦争によって南部が「不当にも」北部に攻撃された結果たくましく生きざるを得なかった例として描かれ、「ロスト・コーズ」神話とサザン・ベルの理想像を…

posted at 06:24:39

…結びつける働きをしている。こうした理想像は家父長制的なジェンダー秩序を前提としているだけでなく、人種的・階級的な秩序にも依存しており、とくに黒人の奴隷や使用人の労働搾取が前提とされていた。そしてまた、奴隷解放や人種隔離廃止など、黒人の権利獲得が進むたびに、…

posted at 06:24:39

…野蛮な黒人が増長してサザン・ベルの純潔や貞操が汚される、として、黒人に対するリンチやその他の暴力や差別の口実となってきた。古くから古い南部を美化する演劇やパフォーマンスではそこに主人に忠実で身の程をわきまえた黒人が使用人役で登場させられていたが、近年のそうした…

posted at 06:24:40

…パフォーマンスではかれらの存在が抹消されたり、史実に反して黒人のサザン・ベルが一人だけ端に含まれたりするようになっている。これは伝統的な南部のソロリティやミスコンテストにおける黒人女性の扱いと共通している。著者が扱う南部に特有の慣習や儀式の詳細については本書に譲るとして、…

posted at 06:24:40

…南部における奴隷制時代の美化やサザン・ベル表象がそのなかに占める役割の大きさは、南部に住んだことがあるわたしにとっても思っていた以上に根深く感じた。またエピローグでは、南部文化の美化が白人至上主義を維持していることを指摘してそこからの脱却を訴える白人女性や、…

posted at 06:24:40

…南部文化のなかで白人の文化と黒人の文化を融合させて自分なりの南部スタイルを生み出そうとしている黒人女性たちのように、新たな南部の女性性を打ち立てようとしている女性たちの存在にも触れられていてよかった。

posted at 06:24:40

シアトル・ダイクマーチ。 pic.twitter.com/43TBH7hsFp

posted at 11:14:33


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