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Channel: エミコヤマ(@emigrl) - Twilog
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8月10日のツイート

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Adam Smith著「Lost and Broken: My Journey Back from Chronic Pain and Crippling Anxiety」 books.macska.org/adam-smith%E8%… ワシントン州のわたしが住んでいる地域から選出されている連邦下院議員アダム・スミスが不安症と慢性疼痛(慢性痛)に苦しんだ経験を綴った本。経済学の元祖と同姓同名の著者は、 pic.twitter.com/TOhVPyfm2b

posted at 04:47:03

…シアトル近郊から選出された下院議員のなかで一番ぱっとしない人。現職政治家による本だけど内容のほとんどは著者がどれだけ不安症や慢性疼痛に苦しまされたか、なんとかして苦痛を和らげようとたくさんの専門家に診てもらったか、という話が大部分。自身の経験をもとに医療のあり方について論じる…

posted at 04:47:04

…部分もあるものの、具体的な政策の提言というよりは、民主党のさまざまな議員たちが提案している改革案のほとんどどれでも現状よりはマシだからとにかくなんとかしてくれ、という悲痛な訴え。議員として活動しているおかげで著者のもとには同僚や支持者、ほかにもさまざまな人からあれこれ専門家や…

posted at 04:47:04

…治療法を紹介され、それを片っ端から試していった結果、人体はもともと放っておいても健康を回復しようとするもので専門家も患者もたまたま当人が回復する時に受けていた治療法が「効いた」と思い込んでしまうけど、実はなにが効くかなんてよくわからないのではないか、とか、そうだよなーと。…

posted at 04:47:05

…また著者は昔から不安症に苦しんでいて、ときには政治家としての活動も難しいくらいだったけれども、支持者の信頼を失うことを恐れてずっと隠していた。あとから慢性疼痛が発症して地元と議会の往復やひどいときには議会への出席もできなくなったけれども、それまで精神疾患をひたすら隠していた…

posted at 04:47:05

…著者にとっては「公にしても構わない病気」にかかったことで逆に不安が和らいだという話は興味深い。どちらの症状もそこそこ緩和されたいまだからこそ、精神疾患のスティグマと闘うために本書で公表したということなのだと思うけど、かれ自身が隣の選挙区の…

posted at 04:47:05

…プラミラ・ジャヤパル議員 books.macska.org/pramila-jayapa… のように人々をインスパイアするタイプの政治家ではないので(だいたい政治家の著書のタイトルとして「Lost and Broken」ってありえる普通?)、名前もジェネリックで特徴のない民主党主流派の政治家がキャラ付けてきたな、という気もする。

posted at 04:47:05

Robert L. Fleegler著「Brutal Campaign: How the 1988 Election Set the Stage for Twenty-First-Century American Politics」 books.macska.org/robert-l-fleeg… 共和党のジョージ・ブッシュ(父)副大統領が民主党のマイケル・デュカキス知事を破って当選した1988年大統領選挙がのちの政治に与えた… pic.twitter.com/A7bIm3pSRB

posted at 05:52:21

…影響について論じる本。1988年は民主党が勝つべき選挙だった。二期続いた現職のレーガン政権は人気を得ていたもののブッシュはかれの後継として明らかに力不足だったし、何も知らなかった可能性が高いとされていたレーガン大統領と異なりイラン・コントラ事件への関与は確実と思われていた。…

posted at 05:52:21

…しかもブッシュが副大統領候補に指名したダン・クエールは、大学を卒業後ヴェトナム戦争に従軍するのを避けて州兵に応募したことを問われて「あのときはのちに政治家になるとは思ってなかったから」と正直に答えてしまうなど明らかに準備不足。民主党側はゲリー・ハート上院議員が…

posted at 05:52:21

…最有力とされていたほか、のちの副大統領アル・ゴア上院議員、のち副大統領・大統領になったジョー・バイデン上院議員、労働組合を基盤としていたディック・ゲッパート下院議員、史上初の有力な黒人候補となったジェシー・ジャクソンら有力候補がたくさんいた。しかしハートが不倫スキャンダルで…

posted at 05:52:22

…失脚し、バイデンも演説でイギリスの政治家の発言を剽窃したことが明らかになり退場、当時はまだ民主党側にいた南部の保守的な白人たちにフォーカスしたゴアと白人左翼と黒人から支持を集めたジャクソンが潰し合って、デュカキスが民主党候補の座を勝ち取ったが、デュカキスに次ぐ支持を集めた…

posted at 05:52:22

…ジャクソンとの主導権争いが長引いた。1988年の大統領選挙がのちの政治に与えた影響で最も大きなものは、対立候補に対するネガティヴ・キャンペーンのタガが外れたことだ。ブッシュ陣営のリー・アットウォーターらは黒人受刑者への偏見に便乗するかたちでデュカキスが「犯罪者に甘い」と…

posted at 05:52:22

…印象づけるような宣伝を行ったが、デュカキスが知事として行っていた政策はレーガンがカリフォルニア州知事や大統領として行っていたものとほぼ同じものだった。また教師に「国旗への宣誓」を先導するよう義務付ける法案を州裁判所が「言論の自由に反する」と判断したのを受けデュカキスは法案への…

posted at 05:52:23

…署名を行わなかったが、これをアットウォーターらはデュカキスは国への忠誠心がないという宣伝に利用した。ネガティヴ・キャンペーンを嫌悪するデュカキスが選挙戦の大半を通してこうした宣伝を無視した結果、かれは保守的な白人たちの支持を失っていった。1992年に民主党大統領候補となった…

posted at 05:52:23

…ビル・クリントンがネガティヴ・キャンペーンに即座に反論する体制を整えたのはこれを教訓にしたもの。また1988年の大統領選挙は政治をめぐるメディア環境が一変する転換点でもあった。当時はケーブルテレビが普及をはじめていた時期で、地上波の三大ネットワークの影響力はピークにあったが、…

posted at 05:52:23

…のちの湾岸戦争で一気に影響力を増したCNNはすでに放送をはじめており、ニュース番組のなかで地方のイベントでの政治家の失言やどちらかの陣営が放送した政治広告がニュースとして報道されるようになった最初の選挙でもあった。ゲリー・ハート、ジョー・バイデン、そしてマイケル・デュカキスは…

posted at 05:52:23

…それぞれそうした新しいメディア環境に対応できずに敗退したとも言える。またSNL(サタデー・ナイト・ライヴ)で選挙広告のパロディが放送されるなど選挙戦をテーマとしたコメディが量産されたのもこの年が最初で、それまで政治家がほとんど出演しなかった深夜のトークライヴ番組に「政治家として…

posted at 05:52:24

…出演できないならサックス奏者としてならどうか」とビル・クリントンが自らをねじ込んだのもこの年。1988年民主党大会でデュカキスを紹介するという大役を任されながら予定の時間を倍以上オーバーする大演説をかまして顰蹙を買ったクリントンはテレビ出演で悪評を打ち破り、次の1992年に繋げた。…

posted at 05:52:24

…共和党側では、ダン・クエールを副大統領候補に選んだところ共和党大会の大半を「クエールはアリかナシか」の騒動に費やしてしまったブッシュ陣営の教訓から、副大統領候補を当大会でお披露目するのではなく事前に発表しておくことになったのもこの年がきっかけ。またクエールで失敗して以降、…

posted at 05:52:24

…2008年にジョン・マケイン上院議員がサラ・ペイリン知事を副大統領候補に抜擢するまで、アル・ゴア(クリントン1992年)、ジャック・ケンプ(ドール1996年)、ジョー・リーバーマン(ゴア2000年)、ディック・チェイニー(ブッシュ子2000年)、ジョン・エドワーズ(ケリー2004年)、…

posted at 05:52:25

…ジョー・バイデン(オバマ2008年)のように実績があり過去に大きな選挙に当選した経験のある安全な人物を副大統領候補に指名するのが当たり前になった。わたしが政治についてリアルタイムで見聞きした記憶があるのはクリントンが当選した1992年の選挙がはじめてなので、1988年大統領選挙は…

posted at 05:52:25

…わたしにとって一番浅い「歴史」にあたる。ゲリー・ハートの失脚やマイケル・デュカキスの討論会での大失敗などエピソードとしては知っていたけれども当時の状況を詳しく読めておおしろかった。あと本書ではニューズウィーク誌にむかし掲載されていた「Conventional Wisdom Watch」からの引用が…

posted at 05:52:25

…多数あってめっちゃ懐かしかった。毎週その週ニュースになった政治家やその他の有力者についてアップ(上昇中)かダウン(下降中)か示したうえで、何が起きたかユーモアを込めて短くまとめてあるの(って言っても見たことがある人しかわからない)。

posted at 05:52:25

Rachel Nuwer著「I Feel Love: MDMA and the Quest for Connection in a Fractured World」 books.macska.org/rachel-nuwer%E… 多くの国で違法薬物とされながら近年PTSD治療への利用など臨床実験が進んでいるMDMA(俗称エクスタシー、モリー)についての本。ドイツの化学者による合成から… pic.twitter.com/PsqAz42OP3

posted at 07:15:47

…冷戦初期のCIAによる極秘実験、カップルカウンセリングなどでの用法からレイヴパーティでの流行と違法化、そして現代の臨床的注目まで、MDMAがたどってきた歴史をふまえつつ、PTSD治療における実績と過剰な期待への牽制、医療用使用が合法化された際に起きるであろう問題の議論など、…

posted at 07:15:48

…非常にバランスの取れた丁寧な内容。CIAが自白剤や洗脳薬を作ろうとしてMDMAで実験していたのもひどいし、MDMAを違法化するために一部の研究者が行ったデタラメな研究(MDAの研究結果をMDMAと混同させたり、ひどいのになるとMDMAを使った動物実験とされたものが実際には覚醒剤を使っていたなど)も…

posted at 07:15:48

…またひどいけど、規制によって自由に研究できないなかMDMAの可能性を信じて長年かけて許可を取り研究資金を募ってきたMAPSはすごい。違法化前に作られた2キログラムの超純粋なMDMAが現在の臨床実験でもいまだにちびちびと使われているという話は知らなかったけど、2キロのMDMAってすげえなそれ…

posted at 07:15:48

…(臨床で使うのはその人の体重にもよるけど一度にだいたい100mgくらい)。MDMA援用心理療法の治験では希死念慮のある人、長年PTSD治療を受けているが効果がなかった人など、PTSD患者のなかでも特に深刻な症状のある人たちを進んで受け入れているが、にもかかわらずこれまでの治験でプラシーボを…

posted at 07:15:49

…大きく上回る画期的な成果が残されているだけでなく、わたしの周辺でも実際に受けた人が何人もいておおむね良い結果が出ている。深刻なPTSDのある人たちは普通にカウンセリングをしようとしてもカウンセラーとの信頼関係を築くのが難しいし、自分の感情や記憶へのアクセスが不自由だったり、…

posted at 07:15:49

…アクセスしようとした途端にフラッシュバックやパニックなどの症状が起きてその対処に追われることが多いのだが、MDMA援用心理療法では当日の朝にMDMAを投与することでそれらの障害をクリアして、薬の効き目がある6時間のあいだみっちり本来のカウンセリングに集中することができる。…

posted at 07:15:49

…治験の一部で受けた人、治験以外でアンダーグラウンドのMDMA援用心理療法を受けた人を問わず、まるで数年分のカウンセリングを一日に凝縮したようだ、と多くの経験者は証言している。MDMA援用心理療法を受けるような人にはもともと希死念慮のある人が多いので、事前のスクリーニングや…

posted at 07:15:50

…事後のフォローアップを丁寧に行うなどしていることもありこれまでのところはないものの、今後より広く行われるようになれば、いずれは治療を受けた直後に自殺する人が生まれてしまうのは避けられない。またMDMAとは無関係の理由で急死する人もそのうち確率的に出るだろう。また、…

posted at 07:15:50

…過度な期待が寄せられることで、MDMA援用心理療法を受けたけれども効果がなかった、騙された、という不満の声も出てくるに違いない。そうなったときMDMAがやり玉に挙げられないように、事前と事後のプロセスをきちんと確立しておくとともに、過剰な期待をあらかじめ抑えるような説明も必要。あと、…

posted at 07:15:50

…現時点でMDMA援用心理療法を行うセラピストの多くが東洋や北米先住民のスピリチュアリティを流用・盗用したデコレーションやリチュアルに頼っているが、仏像よりマンチェスター・ユナイテッドやビヨンセのポスターの方がインスピレーションになる患者だっているはずで、より広い層に…

posted at 07:15:51

…受け入れられるためにはさらなる工夫が必要だ、と本書は指摘している。わたしはむかしから何故か「家にパルミジャーノ・レッジャーノの切り株1つ家に飾りてえ」という自分でも訳のわからない願望があるのだけれど(もし実際にあったら邪魔で仕方がないと思う)、…

posted at 07:15:51

…このたびそれに「2キログラムのMDMAの山を一度見てみてえ」が加わった。だからなんだよって話だけど。

posted at 07:15:51

デュカキス知事、選挙で勝つことを考えると元宇宙飛行士のジョン・グレイ上院議員を副大統領候補に指名してグレイの出身のオハイオ州を確実に取りに行ったほうが、どう考えても勝てないテキサス州のロイド・ベンツェン上院議員を選ぶより得だったはずなのに、…

posted at 08:53:48

…あえてベンツェンを選んだのは、ケネディ大統領&ジョンソン副大統領と同じ「マサチューセッツとテキサスのコンビ」の再来にしたかったからではないか、という話、アホらしいけどおもしろい。

posted at 08:53:48

1988年民主党全国大会でデュカキスを紹介するはずがが予定時間をはるかにオーバーする大演説をやらかしてしまってブーイングを受け、仕方なく生中継を延長させられたメディアからも大顰蹙を買ったビル・クリントンが、直後トークショーでサックスを演奏して復活したときの動画 youtu.be/TfcKQcGg_sM?t=…

posted at 09:05:14

クリントンの演説が長引くなか、聴衆は「デュカキスを早く出せ」と騒ぎはじめ、クリントンが「終わりに〜」と言った途端にその日一番の盛大な拍手。トークショーホストのジョニー・カーソンもそれを真似して、クリントンを舞台に呼ぶふりをしながら何度も話を引き伸ばして話し続け、…

posted at 09:08:27

…カーソンが「では終わりに〜」と言った時に聴衆が大拍手。で、クリントンが登場してリラックスした感じでインタビューに答えサックスを演奏して、あれだけやらかした直後なのに一気に人気を掴んだ。この番組では過去に政治家が出演したことはなく、トークショーに政治家が出るようになるさきがけ。

posted at 09:08:27

この頃のクリントン、若くてカリスマあるし4年後に大統領になったの分かる。4年後の選挙戦でも不倫や大麻使用やヴェトナム徴兵逃れなどが次々に騒がれたけどその度に生き延びたし、ルインスキー事件で弾劾されながらも人気があるまま任期を全うした。

posted at 09:10:59


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