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Channel: エミコヤマ(@emigrl) - Twilog
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4月4日のツイート

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ポートランドステート大学日本研究センターで今月「安倍暗殺後の日本における宗教」というレクチャーが www.pdx.edu/japanese-studi… 来月には中野晃一さんよる日本の右翼についてのレクチャーも www.pdx.edu/japanese-studi…

posted at 02:58:07

Zakiyyah Iman Jackson著「Becoming Human: Matter and Meaning in an Antiblack World」 books.macska.org/zakiyyah-iman-… 動物や労働する機械として「人間」のカテゴリから疎外されてきた黒人の地位を向上させるための戦略として「黒人の脱人間化」に抵抗し「黒人の人間化」を求める指向の限界を示しつつ、… pic.twitter.com/gekk3LQbCj

posted at 15:18:54

…トニ・モリスン、オクタヴィア・バトラーらの小説やオードリー・ロードの闘病記などアフリカ系アメリカ人やその他の黒人たちの文学やアートの作品を通して、白人男性をその理想形として構築されてきた「人間」の脱特権化を目指す指向を紹介する2020年の本。…

posted at 15:18:54

…オクタヴィア・バトラーをはじめとする黒人作家たちによるスペキュレティヴ・フィクションのなかでは、異星人やアンドロイド、あるいは想像上の異種族などを通して、現実のものとは異なる多様な種族やジェンダー間の関係性が描かれる。これらは白人と黒人、男性と女性などのメタファーとして…

posted at 15:18:54

…解釈されるのが普通だけれど、それらをあえていったんメタファーではなくそのまま人類以外の種族や男女以外のジェンダーの話と捉えることで、スペキュレーションと動物理論、ポストヒューマニズムを接続させ、白人や男性を特権化する論理および黒人や女性をそれに近づけようとする指向から離れた…

posted at 15:18:55

…新たな読解を可能にするのは刺激的。もう一度取り上げられている文学を読み直したくなる。

posted at 15:18:55

Dina Porat著「Nakam: The Holocaust Survivors Who Sought Full-scale Revenge」 books.macska.org/dina-porat%E8%… 六百万人の同胞を失ったホロコーストへの復讐と未来への警告のために、ホロコーストを生き延びた少数のユダヤ人たちのグループが計画した六百万人のドイツ人殺戮計画についての本。… pic.twitter.com/yRyluaHpuS

posted at 16:07:40

…著者はイスラエル人の歴史学者で、本書は2019年にヘブライ語で出版されたものの英訳。この計画についてはウィキペディア日本語版の「ナカム」の項目 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A… にも英語版の翻訳(機械翻訳っぽいけど)が掲載されている。…

posted at 16:07:41

…第二次大戦後のドイツの大都市の水道システムに毒を流してドイツ人を大量虐殺しようとした計画は紆余曲折を経て(あるいは計画に納得がいかない組織内部の人によるサボタージュもあった可能性もあり)未然に失敗し、実際に実行できたのは米軍が管理するニュルンベルクのドイツ人捕虜収容所の…

posted at 16:07:41

…パンに毒を塗って数千人の捕虜たちが体調を崩した事件だけ。当初は数百人の捕虜が亡くなったとの報道もあったけれども実際にはこの事件による死者は確認されていない。もし元の計画が成功していたらヨーロッパにおけるユダヤ人に対する迫害はいまより格段に激化していたはずで、…

posted at 16:07:41

…人知れず失敗したことは全世界のユダヤ人にとって幸運だった、と著者は書いている。著者はドイツ人に対する無差別な殺害を倫理的にも現実的にも批判するけれど、本書は同時に復讐と正義の関係について厳しく問いかける。法的に言うなら私的な復讐は決して認められず、…

posted at 16:07:41

…社会正義の実現は法制度によって成されるべきで、仮に法制度がもたらした結果に納得がいかなくても受け入れなければいけない。その観点からは復讐は正義に反した行動とされる。しかし法が社会正義を実現しようとしないとき、あるいは法そのものが社会正義を踏みにじるとき、…

posted at 16:07:42

…実際に行動に移すことは少ないとはいえ、わたしたちは私的な復讐によって社会正義を実現しようという衝動を抱く。その場合、復讐は正義に反するのではなく、正義をもたらすための最後の手段となりうる。また復讐は記憶とも強く関係している。たしかに戦犯に対する裁判などにより、…

posted at 16:07:42

…一部のナチス指導者たちの責任は問われるかもしれないが、史上これまでなかったほど大規模かつ組織的なユダヤ人の殲滅に加担した多くの一般のドイツ人たちの責任は誰が問うのか?六百万人のユダヤ人やその他の多くの人たちが犠牲となったとされるホロコーストの重大さを、…

posted at 16:07:42

…その数字を聞いた人が本当に理解することができるのか?ホロコーストが起きた後、どのようにわたしたちはまたそれ以前と同じように平然と労働し、恋愛し、子どもを育て、生きて行けるというのだろうか?多くの同胞たちがパレスチナへの移住とイスラエルの建国、…

posted at 16:07:42

…そしてそこでの新たな生活を目指すなか、どうしても「先に進む」ことができない人たちがいた。自分が生き残ったのはただの偶然でしかなく、ドイツ人に対してなんの復讐もせずヨーロッパを立ち去るのは殺された仲間たちへの裏切りではないのか?同じだけのドイツ人の命を犠牲にすることなく、…

posted at 16:07:43

…六百万人の失われた同胞の命の重さを世界に示すことなどできないのではないか?これらの問いに加えてわたしが本書で興味深いと思ったのは、ドイツ人捕虜収容所で捕虜に与えられるパンに毒が塗られていた事件が発覚した際の米軍などの反応。かれらはこれをドイツ人に対する復讐だと…

posted at 16:07:43

…正しく推理したけれども、ポーランド人やフランス人の元レジスタンスがそれを実行したのではと疑い、ユダヤ人がそれを行ったとは考えもしなかったという。ドイツ人に最も恨みを持っていそうなのはユダヤ人であるはずなのに、ナチスによって徹底的に叩きのめされたユダヤ人たちにそのような…

posted at 16:07:43

…大それた復讐を実行する実力や精神力があるとは思いもしなかったらしい。一人の死者も出さなかったことを含め、ユダヤ人殺害は許されないというメッセージを送ろうとしていた首謀者たちの狙いは外れたわけだけれど、そのせいもありユダヤ人によるドイツ人に対する大規模な組織的復讐の計画が…

posted at 16:07:44

…表沙汰になるのは1980年代末だった。復讐は良くない、とくになんの責任もない子どもたちまで犠牲にするような復讐は到底認められない、と言うのは容易いが、ホロコーストという人類史上の悲劇の重大さを世界に正しく記憶させたいサバイバーたちの問いは重く響く。…

posted at 16:07:44

…復讐を否定するのであれば、復讐を必要としない、復讐を行わなくても社会正義が実現される世の中を作るための行動にコミットすることが必要だ。

posted at 16:07:45

Theodore R. Burnes & Jamila M. Dawson著「Essential Clinical Care for Sex Workers: A Sex-Positive Handbook for Mental Health Practitioners」 books.macska.org/theodore-r-bur… 性労働に従事するクライアントにカウンセリングを提供するための心理カウンセラーに向けたガイドブック。… pic.twitter.com/nkTdLOpX7j

posted at 16:25:54

…まあ基本は「性労働の経験は人によってさまざまだし、カウンセリングに来る理由もさまざま、偏見を持たずに個々のクライアントの話をちゃんと聞こう」というごくまっとうな話なんだけれども、とはいえ世間から偏見の目で見られていたり、そのために周囲から孤立していたり、…

posted at 16:25:54

…また過去に偏見のあるカウンセラーに当たって酷い目にあった経験のあるクライアントも多いので、ただ個人として尊重しようというだけでは不十分な部分もある。そのあたりこの本はちゃんと扱っており、どのような臨床的立場からのカウンセリングであっても性労働者が置かれている社会的状況を知り、…

posted at 16:25:54

…それを改善するための活動に参加すべきだ、と勧めている。わたし的には、タイトルにある「セックス・ポジティヴ」という言葉や、本書で繰り返される「エロトフォビア」(もとは性恐怖症という意味だけれど、ここでは性規範に基づいた偏見といった意味で使われている)、…

posted at 16:25:55

…あるいは「トラウマインフォームドケア」などの用語の使い方がやや雑なのが気になる。たとえば性労働をしているクライアントが話しやすいようにカウンセラーは自分がセックス・ポジティヴであることを普段からクライアントに示すべきだ、と書かれているけれど、「性労働」は労働であって…

posted at 16:25:55

…「性」はその分野を示す言葉でしかないのでセックス・ポジティヴだと言われると引く人も多い。たぶん著者は性規範に基づいた偏見がないということを「セックス・ポジティヴ」と呼んでいるのだと思うけれども、気をつけて欲しい感じ。まあ短い本だし初歩の初歩としては悪くないのでは。

posted at 16:25:55

Sabia Wade著「Birthing Liberation: How Reproductive Justice Can Set Us Free」 books.macska.org/sabia-wade%E8%… 出産をサポートするドゥーラとして活動する黒人女性の著者が自身の視座からリプロダクティヴ・ジャスティスを論じる本。本書は奴隷とされた黒人女性たちを使った人体実験によって始まった… pic.twitter.com/rwYVG6COeP

posted at 17:19:43

…産婦人科の歴史を踏まえつつ、人種差別をはじめとする社会格差が現代の出産の現場にどのように影響しているかを指摘する。序盤では、不必要に思える帝王切開を言い渡されて不信感を抱く出産間近の黒人女性、自身が出産時に医者に自身の声を聞いてもらえずに死にかけた経験からパニックを起こす…

posted at 17:19:44

…母親、過去の警察とのやり取りなどから医者のような権威のある相手に物を言うことを恐れるパートナーの黒人男性、妊婦にできる限り寄り添いたいと思いつつ激務に晒され患者にとにかく書類に署名するよう押し付ける看護師、帝王切開をためらった結果患者を死なせてしまった経験から早めの帝王切開を…

posted at 17:19:44

…迫り患者や家族の疑問に高圧的に接してしまう医師、といったある出産現場のシナリオを紹介し、それぞれの登場人物が置かれた社会階層上の地位や過去のトラウマの経験が絡み合った相互作用の結果として現実の医療格差が生み出されている様子を描写する。こうした問題を解決するには、医療現場の改善…

posted at 17:19:44

…だけではなく社会階層の解消やトラウマへの手当てが必要となる。本書では「白人を中心化しない」という理由で、「whites」と「non-whites」ではなく「Black, Indigenous, and People of Color (BIPOC)」と「non-BIPOC」(白人)というカテゴリを採用していて読みにくいんだけど、なぜか読者は主に…

posted at 17:19:44

…白人が想定されているらしく、白人に向けた人種差別についてのダラダラした説明や、白人読者に対する訴えかけの文章が多いので、結果的に白人が中心化されているように思う。ラディカルなドゥーラを育成するプログラムを実施している著者の活動はおもしろいので、そちらについてもっと書いてほしい。

posted at 17:19:45

Rose Hackman著「Emotional Labor: The Invisible Work Shaping Our Lives and How to Claim Our Power」 books.macska.org/rose-hackman%E… 感情労働とケアワークの議論をさらに広げ、わたしたちが(特に女性が)日常的に行っている人間関係を円滑にし社会活動を成り立たせるためのあらゆる行動を… pic.twitter.com/CRAXR77uvN

posted at 18:00:23

…「感情労働」の一種と規定しなおし論じる本。四〇年前、拡大しつつあったサービス産業において労働者に新たに課せられた、他者の感情的充足や安心をもたらすために自らの感情表現を操作する業務を「感情労働」と呼んだのは社会学者のアーリー・ホックシールドだったが、彼女が指摘したとおり、…

posted at 18:00:23

…これは女性が私的な領域において伝統的に担ってきた役割を賃金労働に拡張するものだった。そうした賃金労働は「女性化された」労働とみなされ、社会的地位や賃金が低下した一方、私的な領域における感情労働も引き続き女性の役割とされた。著者によれば、フェミニズムにおける感情労働の議論は…

posted at 18:00:24

…移民や非白人、労働階級の女性がサービス産業で行う労働の議論に終始し、専門職の白人女性や中流・上流階層の女性たちが行う私的なケアの議論とは切り離されてきた。しかしそれらは決して現実に切り離されたものではないし、そもそも労働階級の女性たちだって私的なケアも同時に担当しており、…

posted at 18:00:24

…どちらか一方だけを行っているわけではない。また、女性が自身の安全を確保するために周囲に目を張ることや、男性に対して柔和的に接すること、そして襲われた際にすら殺されないために演技することまで、通常は労働とみなされない行為のなかにも感情とケアの作業は潜んでいる。…

posted at 18:00:24

…感情労働やそれに類する感情とケアのさまざまな作業は、市場経済や家父長制における愛情と権力のあいだの複雑な関係を反映している。ツイッターにおけるGiveYourMoneyToWomenハッシュタグ(人種問題について常に発言を求められる黒人女性ら非白人の女性たちが、発言しろというならお金を払え、…

posted at 18:00:24

…という意味ではじめたもの)など感情労働の価値の適切な市場化を求める試みは、そうした複雑さに対する批評的な介入だ。また性労働者たちは、私的であり市場価値に換算できないとされている感情労働の対価を求めることで、社会規範がいったい誰の利益を保護しているのか明らかにする。…

posted at 18:00:25

…コロナウイルス・パンデミック以来のエッセンシャル・ワークへの注目やケアの絶対的な供給不足の問題などの扱いを含め、もう議論し尽くされてきたと思われていた感情労働とケアについて、さらに議論を広げてくれる素晴らしい本だった。

posted at 18:00:25

とりあえずたまっていた5冊の紹介を書けたので、明日は3月分のわたし的読書大賞をまとめます。スペースも多分今週末あるはず。ゆうさんの発表を待って。

posted at 18:11:13

ちなみに今読んでるの、何ヶ月も前から出版を待っていた待望の本で、期待通りの内容。いろいろ衝撃もあるし。次に紹介する予定。

posted at 18:12:46

現在の価値観にそぐわない過去の作品について注釈が付けられるのは普通のこと。現実にいまアメリカの教育現場や公立図書館において「禁書か焚書」されているのは人種差別的な書物ではなく、保守派が「批判的人種理論」と決めつけて叩いているような、人種差別を批判する立場の書物でしょ。 twitter.com/azukiglg/statu…

posted at 18:34:41

てゆーか「風と共に去りぬ」に関しては、明白に差別的な意図を持って歴史を歪曲して書かれ、当時から現在にかけて差別と偽史を温存するために機能している作品。こちら参照 books.macska.org/sarah-churchwe…

posted at 18:38:34

写真はアーリントンとワシントンDCを繋ぐ橋にある表示。アーリントン側には南軍のロバート・リー将軍 books.macska.org/ty-seidule%e8%… の家が、DC側にはリンカーン・メモリアルがある。南北戦争後の和解の象徴とされるけど、白人同士によるその和解のために人種平等は80年間ものあいだ遠ざけられた。 pic.twitter.com/wnN7Feb0Hf

posted at 18:44:01

このなし崩し的な「和解」こそ、アメリカが多元的な民主主義になる機会を得ながらそうなれなかった books.macska.org/kermit-rooseve… 根本の原因であり、銃社会や医療格差やその他のあらゆる現代アメリカの問題の源泉。

posted at 18:48:28

これは、冷戦を背景に沖縄や在日コリアン、アジアの被害者たちを置き去りにした第二次世界大戦後の日米和解の動きとも重なる。ってことを考えながら、第二次世界大戦後の和解を拒否してドイツ人への大規模な復讐を計画したナカム books.macska.org/dina-porat%e8%… について読んだ。

posted at 18:50:55

イヌッターのロゴ候補にしてほしい件。 pic.twitter.com/hKqar3EBQE

posted at 18:55:07

当時から悪だったし実際にそう批判されたけど、それを黙らせようとするあなたのような人のせいで教訓とならずに繰り返されるのでは。あなたは禁書側の人だよ。 twitter.com/azukiglg/statu…

posted at 19:26:34


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