みなさま、お待たせしてないかもしれないですが2022年6月期のわたし的読書大賞の発表です。今月のわた読大賞はぶっちぎりでEdafe Okporo著「Asylum: A Memoir & Manifesto」 books.macska.org/edafe-okporo著「asylum-a-memoir-manifesto です。ナイジェリア生まれのゲイ男性の著者は、… pic.twitter.com/FXZkBDPDzj
posted at 05:27:09
…リンチや反同性愛法による迫害から逃れ憧れていた自由の国アメリカに逃亡したけれど、アメリカでかれが経験したのは、6ヶ月に及ぶ非人道的な収容所での拘束と、晴れて亡命が認められた途端にホームレスのまま外に放り出される厳しい現実。民間団体の支援を受けてなんとか生活が…
posted at 05:27:10
…できるようになったかれは、はじめてアメリカの人種差別の深刻さを身を持って知り、アメリカで黒人男性として生きることの困難に直面する。ゲイが自由に生きることができるアメリカに来さえすれば自由に生きられると思っていたけれど、黒人ゲイ男性移民である著者はまだ自由ではなかった。…
posted at 05:27:10
…性的指向や性自認を理由に迫害を受ける世界中の人たちが憧れるアメリカが、実際には亡命希望者への非人道的な扱いや国内の人種差別によってかれらを裏切り続けている現実を指摘した、すごい本。みんな読んで。…
posted at 05:27:11
…今月読んだ本の中では一番関連しているのはSusan Hartman著「City of Refugees」 books.macska.org/susan-hartman%… 。ニューヨーク州の地方都市に移住したイラクやソマリア、ボスニアからの難民たちに寄り添い、… pic.twitter.com/4ctJMqBzA7
posted at 05:27:12
…かれらがアメリカの文化に戸惑ったりさまざまな救済措置の狭間で苦しんだりしながらどのような将来を思い描いて暮らしているか紹介されている。…
posted at 05:27:12
…今月のフェミニスト本枠。Linda Babcockほか著「The No Club」 books.macska.org/linda-babcock%… は職場で女性が過剰に負担させられがちな「必要だけれど本人の昇進や評価には繋がらない業務」についての分析と、女性たちがどうやってお互いを支え合い、職場の不当な役割分担を変えていくかという本。… pic.twitter.com/ck9h4upg6E
posted at 05:27:13
…Nina Jankowicz著「How to Be a Woman Online」 books.macska.org/nina-jankowicz… は公の場で専門家として発言するなど人々の目に付きやすい立場にいる女性たちがネットで直面する嫌がらせに対処するためのガイドブック。女性ライターたちの自助グループも存在する。… pic.twitter.com/apDXyv3c08
posted at 05:27:15
…世界で最も男女平等が進んでいる国とされるアイスランドの大統領夫人となったカナダ出身の女性が書いたのがEliza Reid著「Secrets of the Sprakkarrld」 books.macska.org/eliza-reid%e8%… 。女性が生きやすい制度が行き届いているように見えるものの、人々の態度や家庭内労働の分担では格差が残っている。… pic.twitter.com/XmA3PQZGo5
posted at 05:27:16
……6月には憲法は妊娠中絶の権利を保証しないとする最高裁判決が起きて大騒ぎになった。妊娠中絶の権利に関する本は過去にもたくさん読んだけど、今月読んだのは逆にその権利に反対する立場のカトリック生命倫理学者の本O. Carter Snead著「What It Means to Be Human」 books.macska.org/o-carter-snead… … pic.twitter.com/WkcIWnw650
posted at 05:27:17
…妊娠中絶は女性の権利である、というのは法的な取り決めとしてそれ以外ありえないと思うのだけれど、生命倫理の問題として見たとき個人の自由というだけで押し切れるほど単純な話でもないことは再認識した。これは本書が取り上げる生殖医療や末期医療の議論にも共通。…
posted at 05:27:17
…世界史における性売買のあれこれを紹介した本Kate Lister著「Harlots, Whores & Hackabouts」 books.macska.org/kate-lister%e8… と、男装したり男性名を名乗った女性たちのあれこれを紹介した本Tracy Dawson著「Let Me Be Frank」 books.macska.org/tracy-dawson%e… は普通におもしろい。… pic.twitter.com/tS1G4RktOB
posted at 05:27:18
–知られざる歴史掘り起こしコーナー。Gregg Mitman著「Empire of Rubber」 books.macska.org/gregg-mitman%e… は日本のブリヂストンに吸収合併されたアメリカのタイヤ会社ファイアストーンがリベリアに巨大なゴム農園を作って経済と国政を支配しようとした歴史について。… pic.twitter.com/39YDg0Usam
posted at 05:27:19
……続いてCaleb Gayle著「We Refuse to Forget」 books.macska.org/caleb-gayle%e8… はクリーク・インディアンの一員を先祖に持つ黒人たちの歴史について書かれた本。クリークの一員としての権利を再獲得する闘いはいまも続いている。… pic.twitter.com/i0IAXjM0zH
posted at 05:27:20
…最後にJames Kirchick著「Secret City」 books.macska.org/james-kirchick… は20世紀のアメリカ政治史に登場した、あるいは埋もれたゲイたちについての本。そもそも政府高官になれたのは白人男性がほとんどだったのでこの本に出てくるのは白人男性の話ばかりだけど、ゲイは本当にどこにでもいる。… pic.twitter.com/oZuqdl1Qcy
posted at 05:27:21
…政治系の本1冊目は2020年補欠選挙で上院議員に当選して今年再選をむかえるRaphael G. Warnock議員による自伝「A Way Out of No Way」 books.macska.org/raphael-g-warn… 。かつてキング牧師が率いた教会の牧師だけあって演説うますぎ。… pic.twitter.com/BsCmpJgwKt
posted at 05:27:22
…Elizabeth Popp Berman著「Thinking Like an Economist」 books.macska.org/elizabeth-popp… は効率とコスト評価を重視する経済学的アプローチが政策論議の前提となることで失われたものがあることを指摘する本。政策論議をする人は全員読むべき。… pic.twitter.com/AZ5TY15sm6
posted at 05:27:23
…Hal Weitzman著「What’s the Matter With Delaware?」はバイデン大統領を生み出したデラウェア州についての本。フォーチュン500企業のうち300以上はデラウェア州で登記されているが、それはデラウェア州がどこかのタックスヘイヴンばりに国内随一の企業や富裕層に有利な制度を揃えているから。… pic.twitter.com/wa3CFfNEte
posted at 05:27:24
……中国に関する本2冊。Bruce J. Dickson著「The Party and the People」 books.macska.org/bruce-j-dickso… は中国共産党がどのように国民の支持を維持しているかという本で、いっぽうNury Turkel著「No Escape」 books.macska.org/nury-turkel%e8… はウイグル人に対する迫害についてのウイグル人人権派弁護士の本。… pic.twitter.com/LykOOEHNwY
posted at 05:27:26
…数学関係の本2冊。Francis Su著「Mathematics for Human Flourishing」 books.macska.org/francis-su%e8%… は数学の営みが人類が求める価値観と強く結びついていることを主張する熱い本。Moshe Hoffman & Erez Yoeli著「Hidden Games」 books.macska.org/moshe-hoffman-… は行動経済学とゲーム理論のいまさらな本。… pic.twitter.com/hGJ5z7kDfl
posted at 05:27:28
…ビジネス系2冊。Jimmy Soni著「The Founders」 books.macska.org/jimmy-soni%e8%… はオンライン決済大手ペイパル創業から売却までの話で、Sachin Khajuria著「Two and Twenty」はプライベートエクイティファンドについての話。どっちもまあどうでもいい。… pic.twitter.com/QBF1EypzOV
posted at 05:27:29
…カテゴリに当てはまらなかった最後の2冊。Kathryn Judge著「Direct」 books.macska.org/kathryn-judge%… はプラットフォーム企業など生産者と消費者の中間に位置する企業の力が大きくなりすぎていることを批判し、生産者と消費者が直接つながる仕組みを主張する。… pic.twitter.com/g8rDIYwmYA
posted at 05:27:30
…Frederick Joseph著「Patriarchy Blues」 books.macska.org/frederick-jose… は貧しい地域で育った黒人男性の著者が生存のために積み上げてきた男性性の牢獄に気づきそこから自由になろうとする本。… pic.twitter.com/XUmVCuYQtX
posted at 05:27:31
…これで6月に読んだ22冊。今月も近いうちわた読スペースやるのでよろしく!すべての本の紹介は books.macska.org に掲載されています。
posted at 05:27:32