ニューヨークの日本語フリーペーパー「週刊NY生活」最新号にBlack Lives Matter運動への攻撃とみなされている「Blue Lives Matter」というスローガンがデカデカと掲載されてる。 pic.twitter.com/5IbZYtmVyg
posted at 08:25:54
この「週刊NY生活」、最新10号を調べてみると、9つの記事においてアジア系に対するヘイトクライムについて言及していて、なかにはBlack Lives Matter運動が「黒人によるアジア系に対するヘイトクライム」と関係しているかのような記事もあった。 pic.twitter.com/OE6yPyssrn
posted at 08:52:25
はい、だからわたしは数年前からこのペーパーを毎号モニターしてます。こちらの記事も参照 fendnow.org/2018/10/04/cri… twitter.com/discardedbacon…
posted at 09:14:43
@iitaikoto1u 無意識でその写真を合わせますかと。
posted at 11:02:01
Slavoj Žižek著「Heaven in Disorder」 books.macska.org/slavoj-zizek%E… ヤバいスロヴェニア人哲学者スラヴォイ・ジジェクの新著。コロナウイルスパンデミックが起きた2020年を中心に、2021年1月の連邦議事堂占拠事件までのさまざまな世界中の出来事に対して政治・哲学・精神分析・ポップカルチャーを… pic.twitter.com/4qlRXXWpVa
posted at 12:44:53
…縦断しつつ批評するジェットコースターとお化け屋敷が合わさったようなエッセイ本。つまりいつものジジェク節。著者は既にコロナウイルスパンデミックについて「Pandemic!」「Pandemic! 2」という2冊の本を出していて、相変わらずの速筆。既存の政治勢力、とくに左翼が内部に抱えている矛盾を…
posted at 12:44:54
…指摘させたらジジェクは最強なのだけれど、かれ自身の文章もあちこちへと軽やかに立場を入れ替わる両義性に満ちていて、最後のエッセイで「戦時共産主義による経済統制しかありえない」という結論を持ってくるあたりも、かれのアジテーションの才能がすごい。ほんとうに…
posted at 12:44:54
…ジェットコースターに乗っているように、すごいスピードであちこちの方向に吹き飛ばされそうになる読書感は、それまで当たり前に思っていたこと(ジジェクがイデオロギーと特に呼ぶもの)を考え直させられるので、わたしは好き。フェミニズムに対する矮小化や嫌味っぽい記述も普段通りで…
posted at 12:44:54
…そのあたりは不快なんだけど、それよりこの本で気になるのは、ブラック・ライヴス・マター運動についての記述がほとんどないことだ。わたしが気づいた限り、わずかに言及されているのは、トランプによるBLMに対する攻撃についての記述と、単に反人種差別運動という意味で軽く使われているだけ。…
posted at 12:44:55
…2020年を中心としてコロナ禍における社会的な騒乱や運動として反マスク運動や連邦議事堂占拠事件について触れているのに、アメリカだけでなく世界各地でデモが起きたBLM運動について一切触れていないのは不思議。さらにヨーロッパや米国だけでなくアジア・中東・中南米で起きたさまざまな政治的な…
posted at 12:44:55
…動きについて取り上げているのに、アラブ圏を除いたアフリカについての言及は一切なく、ジジェクが住んでいる地球にはまるで黒人や黒人による社会運動が存在しないかのよう。まあ下手に取り上げても変なことを書きそうなので取り上げないほうが良いような気もするけど、…
posted at 12:44:55
…ポリコレを気にして遠慮するような人ではないはずなのにこの明らかな欠落は気になった。
posted at 12:44:56
ちなみにわたしはラカンが全然わからないので、そっち方面でジジェクが言ってることは「へえそうなのかあ」と軽くスルーしてます。
posted at 13:04:58
Maia Szalavitz著「Undoing Drugs: The Untold Story of Harm Reduction and the Future of Addiction」 books.macska.org/maia-szalavitz… 80年代のAIDS危機に対抗してアメリカで広まったハームリダクション運動の歴史についての本。著者は当時ドラッグを使用していた過去のあるジャーナリストで、… pic.twitter.com/geZHGxNiuA
posted at 14:01:12
…ハームリダクションという言葉が生まれるより前、のちにそう呼ばれる運動の先駆者的な人から使用済みの注射器を洗浄する方法とその重要性を教えてもらいHIV感染を逃れることができた人。「麻薬との戦争」を掲げる政府やそれに追従するメディアによって攻撃され、…
posted at 14:01:12
…麻薬常用者の命を救うよりもかれらを見殺しにして見せしめにした方がいい、麻薬をより安全に使用する方法を提供することは麻薬使用をさらに広めてしまう、という世間のモラル・パニック的な反発を受けつつも、逮捕の危険を冒しつつハームリダクションの考えを広めていった人たちの…
posted at 14:01:12
…ストーリーが語られる。多数の調査によってハームリダクションが麻薬使用を増やすという因果関係は存在しないことが示されるとともに、その考えは徐々に公衆衛生当局の支持を得て、現在では麻薬使用者の命と健康を守るだけでなく、さまざまな分野に応用され、コロナウイルスパンデミックへの…
posted at 14:01:13
…対策にも援用されている。社会的に疎外された目の前の少数の人たちの命を救うためにはじまり、ついにはすべての人類を襲う世界的なパンデミックへの対抗手段の一つにまでなったこの思想と実践の歴史を紹介したこの本は、公衆衛生について考えるための必読書だと思う。ハームリダクションと…
posted at 14:01:13
…呼ばれるようになった医療政策は、もともとヨーロッパのいくつかの国で実践されていた。それは麻薬使用を犯罪や道徳的な罪とみなしてやめさせようとするのではなく、麻薬使用や麻薬依存に関連した社会的な問題を解決しようとするもので、たとえばオピオイド依存のある人に医療用…
posted at 14:01:14
…オピオイドを処方することによって、依存者が地下市場に出入りしたり高価な違法薬物を買うために犯罪を犯したりするのを予防するものだった。依存症治療を受けたい人は受けられるべきだけれど、それより先に住居や収入を確保するなど生活を安定させなければ治療は非現実的だ。その後AIDS危機が…
posted at 14:01:14
…勃発し、注射器の使いまわしが感染拡大の最大の要因とわかったことで、ニューヨークの麻薬使用者のコミュニティとゲイ男性を中心としたACT-UPの活動家たちが協力し、注射器の配布と使用済み注射器の回収の運動をはじめる。当初は違法とされていた活動は、勇気ある活動家たちが逮捕され裁判で…
posted at 14:01:14
…争った結果、緊急避難の法理によって合法だと認められることとなった。この本ではハームリダクションの運動がどのように広がっていったのか、内部でどういう意見の対立がありどのような決着になったのか、などの歴史とともに、人種差別に基づいた「麻薬との戦争」や麻薬使用者の社会的孤立と…
posted at 14:01:15
…道徳的断罪を推奨する「厳しい愛」の論理、そして近年のオピオイド危機をもたらした、そしてそれを悪化させている政治的な失敗など、アメリカの麻薬に対する政策と社会的風潮がどれだけの人を殺し、家族を奪い、あるいは自由を奪ってきたのか書かれていて、麻薬と公衆衛生、依存症治療をめぐる…
posted at 14:01:15
…さまざまなトピックが結びついてくる。わたし自身、20年ほどまえからハームリダクションの運動に関わっていて、コンファレンスで発表したり、特に性暴力サバイバー支援運動におけるハームリダクションについて講演もしているのだけれど、そんな内部の人間にとっても学ぶことが多かった。
posted at 14:01:16